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 の仮面までの満足感はどこへ?

どんなに処理落ちでガクガクだろうと、どんなにシステムや仕様に不満があろうと、ストーリーに関しては最高級のクオリティだった「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」という作品。

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最初に「ん?」と引っ掛かりを覚えたのは、「わたしは今!『ポケモン』の話をしています!」という返し。
確かに現実の女性に似たような事を言えばこう返されるかもしれませんが、わざわざポケモンという作品でやる必要ある?とは思いましたね。
変な生々しさを感じて、肩透かしを食らった印象。

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この作品の雲行きが怪しくなってきたのは、スグリとのバトルが終わり、カキツバタの「元 チャンピオン」発言あたりから。

確かに「前の楽しい部活に戻したい」と言っていたり、リーグ部の部室でアカマツ君に「嫌われ役になってばかり」と言われていたり、カキツバタのキャラクター性にしっかりと味付けはあったのです。

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あったにはあったのですが、「なーんだ 負けちゃったよ」とブルベ生徒たちに見限られている惨めな状況真っ最中のスグリに、両手を広げて煽るように「ふたりとも お疲れさーん」発言、追い討ちをかけるような「残念だったねぃ。 元 チャンピオン」発言、手のひらを返したように「楽しくやろうや」発言をするなど、
言動や行動に対してのモヤモヤが凄い。

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確かにスグリも高圧的で他人を蹴落とすようないけすかない態度ではあったものの、こうなってしまった事には理由があるので、カキツバタの行動はやり過ぎなように思えました。
仮にも同じリーグ部部員で、主人公より付き合いが長いはずなんですよ、カキツバタ。年も上なんですし、年長者としてもう少しスグリに対する心配をしてもいいように見えるんですよね…。

ですが現実は、3年も留年してるような奴が努力でのしあがった年下にいつまでも「元チャンピオン」を擦ってネチネチと刺しまくる始末…。

現実の話に置き換えたら、3留している17歳が、中1(14歳)の子に部活内の試合でボコボコにされ悪態を付かれまくった後「大人も混ざった全国大会」で優勝経験のある子(14歳)がたまたま交換留学に来たので、その子の力で中1の子をボコボコにして、それに乗じて「お疲れさん、元 部活内トップ」とか言って煽ってるわけです。
キッッッッツ!

その後、部室でアカマツくんと上述した「嫌われ役になろうとしている」旨の会話をしていますが、「狂人の真似とて大路を走らばすなわち狂人なり」という言葉のように「嫌われ役になろうとして本当の嫌われ者になった」というより「嫌われる要素満載の奴が更に嫌われる要素を増やしただけ」という感じにしか見えません。

「碧の仮面」でスグリが闇落ちしてしまう流れは丁寧に描かれていたのに、「藍の円盤」になった途端にカキツバタに感情移入できるような物語の構成ではなくなっているという、製作陣の作り込み的な面も違和感を感じる原因なのかもしれませんね。

多分、製作陣はこの気持ち悪い感じを狙って作っているんだと思います。(タロに戒められていたり、その後の重たい雰囲気の選択肢がその証拠)

こういう、性格が悪いとは言い切れない空気の読めない賛否両論になる人間が世の中にはいるんだぞ、というのを製作陣は言いたいのでしょうか。
けど、そんなのはポケモンでやって欲しくはなかったなぁ
というのが正直な感想。

こんな人間の醜さを前に出したような話の流れなんてのは現実の生活や他の漫画・アニメで十分間に合ってるんですよね。
賛否両論と言ったように、カキツバタが好きだという人がいるのは理解できます。彼、色々と属性も盛り盛りですしね。想像力のある人は自分の想像で補完もするでしょうから。

総括して、生々しい人間関係や、生々しい発言・行動を見せられて「全体的に見て藍の円盤はストーリーがよかった!」とは言えませんでした。もうこりごりです。





 ラドックスの秘密は?

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クリア後に、テラパゴスを連れててらす池に行くととあるイベントが起こります。
それにより、新たな世界線が誕生したのかな?という考察はできるのですが、フワッとした事実が並んでばかりで核心的な事は特に語られず、考察ができる「だけ」。

いや、「だけ」は言い過ぎかな…?

でも「パラドックスポケモンは実は○○でした!」とか「テラスタルは実は■■だった!」とかも特に無いんですよね。

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テラパゴスはオーガポンと違って物語に殆ど関わらず、スグリと仲直りをするため&てらす池イベントのための舞台装置になっちゃいました。
テラパゴスがテラスタルの祖である…みたいな話を深掘りするのかな?と思ったら特にそんなこともなく。

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コライドン達やオーガポンのストーリーはあんなにしっかりと設定を絡めて素晴らしいものになっていたのにテラパゴス関連だけあっさり薄味

いや、スグリとの仲直りのためにテラパゴスをラスボスにすること自体に文句は無いのですが、テラパゴスに出会うまでにもっとストーリーや設定の深堀りができたんじゃ…?とは思っちゃいますね。

これまでポケモンは劇中に意味深なオブジェクトを置くなどして、匂わせや伏線のようなものを用意することがよくありましたが、ここまで謎が何も明かされないとただの消化不良。

ネモやペパー、ボタンたち「ザ・ホームウェイ」メンバーが上手く物語にマッチしてそれぞれがポケモンで上手い味付けをしていたぶん、より藍の円盤の薄味具合が顕著になっていた印象です。







 評としては…。

評価基準
  • 新ポケモンの扱い:10点
  • 過去ポケモンの扱い:10点
  • 新キャラクタービジュアル:10点
  • 新キャラクターとの関わり:2点
  • 既存キャラクターとの関わり:8点
  • 新フィールド:10点
  • 処理性能:3点
  • 新システム:5点
  • 色違い関連:1点
  • 物語の面白さ:2点
合計:61点

後味がたいしてスッキリしなかったので、総合評価としてはそこまで満足度は高くないです。

良くも悪くも、このゲームを作っている会社はゲームフリークなんだというのを改めて認識させられましたね。









 
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